AIDMAからAISASへ、というかAISDAS?

2007.02.27 Author: マル

いつかの夕暮れ頃に現れるWEBシステム企画人のたわいない話、「たそがれ営業部」。しばし、マルにおつきあいください。
当社のお客様というのは、特にシステム開発においてはWEBプロダクションをはじめとする広告制作や代理店のお客様が多く、折に触れて様々なことを知る機会に恵まれるわけであります。

さて、初回の話題ですが、広告業界の常識の一つ「AIDMAの法則」これの変遷と合わせて感じる個人的見解について触れてみようと思います。
この「AIDMAの法則」、私も当社に来る前の遠い昔、とある修業先で師匠より学んだものであります。
ちなみに説明しますと、

  • A・・・Attention
  • I・・・Interest
  • D・・・Desire
  • M・・・Memory
  • A・・・Action

の5段階のプロセスの頭文字を取ったもので、よく知られたマーケティング用語ですが、商品を認知してから購入に至るまでのプロセスの仮説であります。
「お客様が商品に気づいて(A)、それに関心をもって(I)、知るうちに欲しくなって(D)、商品を購入すべく記憶して(M)、買う(A)」と考えられているわけです。

ところがインターネット時代、消費者自身がメディアとなる現代はこの考え方も進化して、「AISAS」と呼ばれるようになってきたわけであります。
こちらは、

  • A・・・Attention
  • I・・・Interest
  • S・・・Search
  • A・・・Action
  • S・・・Share

となり、興味を抱くまでは同じなのですが、その先が変わります。
「Search インターネットでの検索」が追加されました。次が「購入」で、その後に「Share ネット上での情報共有」が来ます。情報共有というあたりが消費者自身がメディア化されていることを表していると言えます。
Consumer Generated Mediaという言葉が話題のキーワードでしょうが、別に最近のことではなく、昔の井戸端会議がデジタル化されて、ネット上に展開されているだけのことと個人的には解釈しています。ところが、ネット上の井戸端会議には「時間」と「距離」の制約が無いので、一気に広まるわけです。そこで活躍するのが、従来からある口コミサイトに加え、SNSやブログというサービスであります。

さて、この「AISASの法則」ですが、ちょっと気になるところがあります。それは「Desire 欲求」と「Memory 記憶」が無くなっているところです。さすがに「欲求」無しにモノを買うというパターンは、正直あり得ないだろうと考えるわけです。人が行動するためには意識・無意識問わず、「欲求」が必要なわけで、衝動買いにしても衝動的欲求で物を買うのですから、不自然な表現なのです。

そこで私の意見ですが、「AISASの法則」というのは、

  • A・・・Attention
  • I・・・Interest
  • S・・・Search
  • D・・・Desire
  • A・・・Action
  • S・・・Share

とするのがより行動的に妥当性を帯びてくるのでは無かろうかと考えられます。
ちなみに、実際の行動においては、「A-<I-S-D>-A-S」と表現しますが、ISDのプロセスは「Search 検索/リサーチ」のプロセスを軸としてぐるぐると回っているようなイメージになるのではないでしょうか。一種の購入への螺旋階段を上るがごとく。

もっとも、この「Search」のプロセスは、昔なら雑誌の記事や店員の説明などと置き換えられるわけですから、厳密にはどうだろうかと疑問に感じるところは無いとはいえません。そうなってしまうと、旧来の「AIDMAの法則」ですらややこしくなってしまうので、このへんで締めくくりとさせて頂こうかと思います。