噂の2段階のAD移行

2009.08.17 Author: モンキー

モンキーでござる。

Active Directoryの世界には、「フォレスト」と「ドメイン」というコンセプトがあります。

簡単に言うと、「ドメイン」は「リソースを共有させるためのコンピュターのグループ」と定義出来ます。
で、「フォレスト」とは、「ドメインのグループ」と言えます。

ドメインは簡単に名前が変更出来ないため、名前を変えたければ、新しいドメインを作って、それから古いドメインから新しいドメインにリソースを移行する必要があります。複雑ですけど、マイクロソフトが「AD移行ツール」というアプリケーションを開発し、だれでも(無料で)利用可能な形でリリースされています。

AD移行ツールは本当に素晴らしいのですが、問題があります。

例を挙げます。

「saru.local」というフォレストがあるとします。そのフォレストの中には、「saru.local」というドメインもあります。

次、「neko.local」というフォレストもあるとします。そのフォレストの中には、「neko.local」と「saru.local」という2つのドメインがあります。

この環境の場合、「saru.local」(フォレスト)の「saru.local」(ドメイン)から「neko.local」(フォレスト)の「saru.local」(ドメイン)に移行出来ません!

なぜかというと、フォレスト名が異なるのに、ドメイン名が同じです。つまり、AD移行ツールがフォレストを識別出来ないことに理由があります。

しかし、裏技があります!2段階の移行です。

上記の例を続けます。「saru.loca」から「saru.local」に移行出来ないため、もう1つのドメインを構築する必要があります。「neko.local」フォレストの中の「koneko.local」とします。

で、下記の手順で行います:

①「saru.local」(フォレスト)の「saru.local」(ドメイン)から「neko.local」(フォレスト)の「koneko.local」(ドメイン)に移行する
②「saru.local」(フォレスト)の「saru.local」(ドメイン)を完全に削除する
③「neko.local」(フォレスト)の「koneko.local」(ドメイン)から「neko.local」(フォレスト)の「saru.local」(ドメイン)に移行
④「neko.local」(フォレスト)の「koneko.local」(ドメイン)を完全に削除する

終了です!!

複雑ですけど、もっと簡単な方法がないらしいです。