OSPF CCNA、CCNP、CCDP、CCIE試験 基礎その1

2007.04.06 Author: hoge

OSPFネタ
OSPFについてシリーズで書くものとする。 (^o^?
OSPFについて基本的な事を記述するつもりであるが、
CCNA(Ver3.0)程度の知識は必要となるかも知れないとだけ先記。
又、Zebraから有名になったVersion3についてはここでは触れない。
例として分かりやすくする為にRIPを引き合いに出す事を多くする。

OSPFの一般特徴概要
1: 速いコンバージェンス(エリア数、LSDBサイズにもよる)
2: VLSMに対応
3: ホップカウントといったDistanceVector型にある制限は無し
4: 帯域幅を元にしたコストを計算メトリックとする。
5: DistanceVector型プロトコルでは対応出来ないスケーラブルなネットワーク用件
  に対応する為にIETFによって開発。(OSPFv2はRFC2328)
6: OSPF情報は、プロトコル番号89(TCP-6、UDP-17)を用いて、
  IPパケットで搬送される。




OSPFの一般特徴詳細
1: コンバージェンス速度について
  例えば、RIPにはホールドダウンとルートエージングがあり、
  大規模ネットワークの場合、RIPのコンバージェンスには数分を要する事がある。
  OSPFのコンバージェンス時間はRIPのコンバージェンス時間より高速であり、
  ルーティング変更が直ちにフラッティングされ、平行して計算される為である。
  ダイクストラアルゴリズムを採用しているので当然ではあるのだが・・・
  ※参考※
  ダイクストラアルゴリズムは近年のGIS系にも採用されている。


2: VLSMのサポート
  OSPFではサブネットマスクとVLSMがサポートされている。
  サブネットを集約するかアドバタイズするか任意設定できる事も大きい。


3: ネットワークの到達可能性
  例えば、RIPネットワークは全長が15ホップ(ルータ15台)を超えると、
  ネットワークが到達不可能と判断される。
  OSPFには事実上、距離到達可能性による制限はない。


4: 帯域幅の使用
  RIPは30秒毎にネイバー全てに保有するルーティングテーブルをブロードキャストする。
  OSPFはLSAをマルチキャストし、ネットワーク変更が生じた場合アップデートを送信する。
  OSPFは30分毎にアップデートを送信して、ルータ全てが同期してる事を確認する。
  DR、BDRの概念は、この最たるであると言える。


5: パス選択の方法
  RIPのルーティング技術は純粋にホップ数に元づいて決定される。
  ホップ数の多いパスの方が総リンク帯域幅が大きくなる。
  遅延や通信速度に関係が無くベストパスが選択されない事がある。
  OSPFではコスト値=メトリックが使用され、接続の速度に基づいてベストパスが
  選択される。
  標準では100M帯域のメトリックは、"1"と計算される。



今回はこの程度にて終了。

<便利知識>

OSPFではループバックインターフェースへ設定されたIPアドレスはホストルートと見なされ、
/32としてネットワークへアドバタイズされる。

※参照 RFC2328のセクション9.1※

ループバックインターフェースにip ospf network point-to-pointコマンドが設定されると、
OSPFによりループバックのサブネット/32が、設定された実際のサブネットとしてアドバタイズされる。