Catalyst3750 SDM/TCAMについて
2007.06.11 Author: hoge
Ciscoネタです。
[TCAMってスゴイよ]
Catalyst3750をスタックして一元管理できるStackWise機能について、
前回メモで記述しましたが、今回は、SDM、TCAMについてメモします。
SDM = Switch Database Management
TCAM = Ternary Content Addressable Memory
Catalyst3750はTCAMという領域を利用して、ハードウェアベースのレイヤ3フォワードである
ルーティングエントリ処理を実施します。
※参考までにCatalyst3560も同様の技術を採用しております。
TCAM領域のリソースを越えない限りは、ルーティングエントリはハードウェア処理されます。
TCAMリソース領域を越えるエントリ処理が発生する際には、ソフトウェアベースにて
処理が実施されます。
又、TCAMで格納される情報は、ルーティングエントリのみならず、
レイヤ2フォワーディング情報やアクセスリストに関する情報が含まれており、
マスクの考え方を採用したワイルドカードビット検索による効率性の上昇を実現しています。
[SDM登場]
TCAMを制御するものが、SDMです。
TCAMは、ハードウェア処理を実施するレイヤ3+レイヤ2フォワーディング情報、
アクセスリスト情報等のリソースを分割して管理します。
この、"分割"こそがSDM制御によって実施されています。
つまりアクセスリストやルーティングエントリに対して、どのようなTCAM比率を割り当てるのか、
SDMテンプレートが実施しているのです。
[TCAM負荷発生]
機器処理負荷の上昇に伴ってTCAMリソースが越えた場合には、ソフトウェア処理が発生します。
但し、アクセスリスト処理がTCAMリソースを越えた場合には、syslogに出力されますが、
レイヤ3フォワーディングであるルーティングテーブルの処理については、
粛々とソフトウェア処理が実施されるのみでsyslog出力はされません。
当然、CPU負荷やMEMORY使用率が上昇しますので、判断は比較的簡単ですが。
[利用シーン]
大規模ネットワークにおいて、大量のACL処理や膨大なルーティングエントリ、
MAC情報等についてをCatalyst3750が実施する事はレアケースと考えます。
但し、大規模ネットワーク環境において一定負荷条件発生は有る話です。
・レイヤ2情報の処理数が桁違いに多い。
・PBRに特化した構成とする必要がある。
・IPv6を普通に使用したい等々
その際、SDMの処理方式を変更することで、TCAMへの割当比率変更が可能となります。
CiscoSystems社としては、SDMはデフォルトテンプレート利用を推奨しているようですが、
利用状況次第ではそんな事も言ってられませんので、柔軟に変更しましょう。
SDM種類
SDM種類 説明
・default --------------- 標準のテンプレートになります。
・vlan ----------------- レイヤ2フォワーデイングのみを実施します。
・IPv4 and IPv6 --------- IPv6を使用したい場合に変更しましょう。
・IPv4 and IPv6 vlan ----- IPv6を使用して且つレイヤ2フォワーディングに特化。
IPv6でのQoSのACL適用は可能です。
設定
tomo3750(config)# sdm prefer
{ default | routing | vlan } [ desktop ]※IPv6の使用時
tomo3750(config)# sdm prefer dual-ipv4-and-ipv6
{ default | vlan } [ desktop ]※SDMテンプレートの変更は、再起動必須。
PBRの使用とIPv6のテンプレート使用については、E型番とIOSに注意をして下さい。
Catalyst3750****-E型番のみが、PBRをサポートします。(はず)