なでしこジャパンと組織論

2011.07.22 Author: さー

震災から早4か月以上経ちました。

この4か月の間、さまざまな人達が被災された方々にエールを送ってきましたが

もっとも早くからもっとも熱いエールを送っていたのがサッカー界だったような気がします。

そのサッカー界からまたもや、奇跡に近い勝利をもって強烈なエールが送られてきました!!

 

そう!!

なでしこジャパンのワールドカップ優勝!! 

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まさか私が生きているうちに日本が(女子を含め)ワールドカップで優勝できる日が来るとは思いもしませんでした。

決勝の相手だったアメリカの選手が試合後、「日本は何か見えない力に後押しされているようだった」と言っていました。

被災地にメッセージを!!という強い思いがそうさせたのかもしれません。

 

ただ、実際に勝つためにはそこに戦略と戦術が必要となります。

特に今まで一度も勝ったことのない、且つフィジカルでは絶対に勝てないチームと戦う日本にとっては。

そんなサッカー界の最先端の組織論について少し紹介してみます。

 

 

去年の男子ワールドカップにおいて優勝したスペイン(やポルトガル)にて実践論がまとめられ、

今年女子ワールドカップにおいて優勝した日本で隆盛をきわめている最先端の戦術を、

 

「戦術的ピリオダイゼーション理論(PTP)」と言います。

 

約30年前にポルトガル人のヴィクトル・フラーデ氏が発案したものであり、

レアル・マドリード現監督のジョゼ・モウリーニョ氏が採用していることにより注目を集める考え方です。

このPTP(戦術的ピリオダイゼーション理論)は、 要素還元論 (線形科学)と複雑系 (非線形科学)を比較することから始まり、

フットボールとは、複雑系の代表とされるカオス理論と、フラクタルを融合した特徴を持っていると考えられていることから、

この考えをもとに、トレーニングを構築し勝つための理論が、PTP(戦術的ピリオダイゼーション理論)であると言われています。

 

要は、「サッカーはサッカーをすることでしか強くなれない」という考え方です。

 

いわゆる要素還元論的な考え方をすると、

パスが上手くなる、

シュートがうまくなる、

スライディングがうまくなる、

その結果として試合に勝てるという結論になります。

 

でも実際は、「そんなことができても試合では勝てない」ということです。

 

要素還元論という、事象を細分化し1つずつ潰していくという考え方はITでは必須の考え方ですし、

日本人が得意とする考え方です。

でもそれだけでは実際には勝ち抜くことはできないのです。

カオス且つフラクタルな、全体を俯瞰したときに感じることができる大局の流れを見極めることが大事だということです。

 

見方を変えて体系的な考え方をすると、以前有名になった田坂広志氏の「複雑系の経営」という本の考え方を複雑系の定義だとすると、

PTPは、サッカーという一つの分野に特化した複雑系の実践論という位置付けになるかと思います。

 

興味のある方は深く学んでみてはどうでしょうか?

 

*フラクタルという考え方がスペインとポルトガルの国境問題からでてきた考え方であり、それがサッカーという両国で最も盛んなスポーツの実践論とされてきているところにも、カオスさを感じざるを得ない今日このごろです。

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